湘ゼミコラム

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「現役東大生&卒業生×湘南ゼミナール コラボ授業」【前編】

2019.10.23

今回の湘南ゼミナールVISIONARY SWANSのキャリア教育授業企画は、番外編です!

湘南ゼミナール難関高受験コースに通う中学生の生徒さん43名にご参加いただき、現役東大生とのディスカッションや模擬講義を受ける特別課外授業を実施しました。

企画に協力してくれたのは、東大女子キャン運営委員会のみなさん。東京大学に通う女子学生の割合が学生全体の20%を下回るほど低い状況に対し、フラットな目線で東京大学を知ってもらい、女子学生数の低下を改善したいと2016年に東大生で立ち上げられた団体です。

それでは以下より、
東大生による中学生のための特別授業【前編】をお届けします。

東大生って雲の上の存在なの?!
東大OB・OGが語る、東大を目指した理由と今

1877年(明治10年)4月、東京開成学校と東京医学校が合併し、法学・理学・文学の3学部と医学部および予備門(第一高等学校の前身)で構成される東京大学が創設されました。

現在では、10の学部と15の大学院研究科・教育部・11の附置研究所(先端科学技術研究センターを含む)、14の全学センター、附属図書館、国際高等研究所がある他、医学部附属病院のように学部・大学院研究科、附置研究所にある附属施設等で構成されています。

―――この日、湘南ゼミナールの生徒さんが訪ねたのは、東京大学の本部でもある東京都文京区にある本郷キャンパス。

日本の建築学者 内田祥三(工学部教授・後の14代総長)によって設計された、「内田ゴシック」とも言われる統一されたデザインの建築群が見られるとあり、キャンパス内には一般市民や観光客の姿も多く見られます。

―――教育学部にて、東大生による特別課外授業がスタート。

写真:東京大学の教育学部内にて特別課外授業をする様子

東大女子キャン運営委員会スタッフ
「大学生って何してるんだろう?そう感じたことはありませんか?今日は東大生と楽しくいろんな話をして、自分なりの答えを何か1つ持って帰ってもらえたらなと思います。」

―――最初に、よくある自己紹介…かと思いきや、東大生らしい記憶力を活かした自己紹介がスタート!

東大女子キャン運営委員会スタッフ
「野球が大好きな○○(名前)です。▶次の人は、野球が大好きな○○さんの隣の、水泳が大好きな○○です▶次の人は、野球が大好きな○○さんの隣の、水泳が大好きな○○さんの隣の、チーズケーキが大好きな○○です。と続けていきましょう!最後は女子キャンスタッフがやります!これは大変ですね!(笑)」

写真:全員の紹介を間違いなく言い遂げた現役東大生に拍手!

―――東大生の記憶力を試す自己紹介で、会場は和みムード。
ここで、東大卒のOB・OGによる”中学生を過ごす皆さんに伝えたいこと。”の発表です。東大を目指す人たちは、いつからどう思って東大を目指したのか…?現在は東大を卒業し、社会人として働く2名が発表します。

Mさん(東京大学 文科一類 法学部卒業):
「日系の企業で人事の仕事をしています。経歴としては、僕も神奈川県の中学校出身で、中3から鷺沼のアルファ(現:難関高受験コース)に入って、東京学芸大学附属高校に合格しました。東京大学に入ってからは、国際交流を行い、デンマークのコペンハーゲン大学に留学した後に、今の会社に入りました。」

「僕は高校に入った時に、自分は勉強だけじゃなくて部活も頑張ってきたぜ!みたいなところがあったんですけど、”いやいや部活だけじゃないですから”と言わんばかりに、4カ国語話せるクラスメイトや、ロボットが作れる先輩が居て…。マジ??みたいな。本当にびっくりして、とても敵わない…そう思って自分ももっと頑張らなきゃと思って東大を目指すことにしました。
敵わないな、と思う人に囲まれると、当たり前のレべルが上がっていくと思います。気づいたら自分も追いついて自信が付き、選択肢が広がることで見える世界が変わってくると思います。高校受験、大学、部活、趣味も仕事も、どういう環境に身を置くかはとても大事です。だからこそ”勉強以外のことへの本気”って意外と大切なんです。」

Mさん(東京大学 文科一類 法学部卒業):
「僕が社会に出た時に感じたのは、『あの人と仕事をしたい』、『あの人すごいな』と思うのは、いろんな能力や魅力の掛け算がある人だなと。僕の場合は、野球部でキャプテンやっていたからリーダーシップ、バスケ部で得たチームプレーのコミュニケーション能力、法学部で培った論理的に考える・伝えること、継続的に努力する力があります。いろいろな課程で使った頭の使い方は絶対に残ります。知識そのものは抜けていくけど、こういう風に考えればいいという力は絶対に残っていくので、勉強は無駄にはならないと思うんです。

勉強って、受験に目がいきがちだと思うんですけど、高校や大学で豊かな生活を送る為に必要な能力でもあると思うんです。高校や大学に入学することがゴールじゃなくて、いかに楽しく過ごすか、この先何をやるためなのかを考えてほしいなと思います。」

―――続いては、東京大学OGで、東大女子キャンを立ち上げたKさんによる発表です。

Kさん(東京大学 文科一類 法学部卒業):
「私は、国家公務員として働いています。国家公務員とは、国全体の方向性や政策を決めて、実行していく場所です。私は、小学校に入る前から学校の先生になりたいと思っていました。だから、学校の先生になれる大学に行くのかなって…。でも塾に通い出したのは中3からで、勉強が好きなわけじゃなく、勉強時間はなるべく短くしたいって思っていました。いかに短い時間でより良い点数を取るか、友達に勝つか、みたいなことだけを考えて全力でやっていました。その中で、この問題集は1周すればいいとか試行錯誤して、自分はこういう風に勉強すると頭に入るんだなっていう自分に合った勉強法を見つけることができました。

でもその後、中2で保育園に職場体験に行ったときに、『もしかしたら私、子どもに接する仕事に向いていないのかな?』と気付いてしまったんです。ずっとそこから進路は迷子になりました。迷子のまま高校へと進み、高校でも進路を決められずにいた時に、先生が教えてくれたんです。”東京大学という場所は、学部を入学の時に決めなくていい、入学して勉強してから行きたい学部を決められる”と。……なんと!いいじゃないか!って思ったんです。
そして、先生になることは諦めたけど、では自分にできることは何か、と考えて国家公務員を目指しました。」

Kさん(東京大学 文科一類 法学部卒業):
「そんな私が中学生の時にやってよかったと思ったことは、”勉強の仕方を学ぶこと”、”自分の可能性をとにかく狭めないこと”の2つです。
大学生や大人になったら、”自分はこういうのをもっと学びたい!”という興味が意外と沸いてきます。そんな時にも勉強の仕方さえ知っていれば、勉強の仕方がわからないからできない、どうやって始めていいか分からないと躊躇して、踏み出せなくなるってことが無いんです。

そして、2つ目に挙げた”自分の可能性を狭めない”ということ。
私は中2の職場体験で進路を失ってからずっと迷子で、将来のことなんて分からなかった…。高校受験も大学受験でも将来の夢が無いので、何のために頑張ればいいとかが無い自分を嫌だなと感じていました。でも、将来どうなるかなんて誰にも分からないんです。
将来の夢が無かったとしても、目の前のことを一生懸命やってほしいと思っています。今将来の夢が1つに決まっている人も、それだけに囚われず、”本当にこれでいいのかな”とか、”他にも面白い仕事があるかもしれない”と将来を狭めないで考えて欲しいなと思います。」

―――東大を卒業しても尚、やりたい仕事・学びたいことに前向きに向かっている彼らの話を真剣に聞く生徒さんたち。しっかりと自らノートに書き留めていました。

このKさん、実はこの東大女子キャンを立ち上げた張本人でもあります。

Kさんが東京大学を目指すと決めた時、彼女自身もまわりから「結婚する気がないの?」「東大じゃなくても地元の国立でもいいんじゃないの?」などと言われたといいます。

“学歴が高すぎて結婚できない”などといったステレオタイプのイメージとはかけ離れた彼女は、東京大学で学ぶことを選び、好きな仕事に就いて、プライベートも楽しく生きています。そして、東京大学を目指そうと思う女性たちを増やしたいと東大女子キャンを立ち上げ、その想いは現在へと繋がっています。

そんな彼女達の姿は、男女問わず湘南ゼミナールの生徒さん達にも、それぞれに考えるきっかけを与えてくれたのではないでしょうか。

以上、前編レポートをお届けしました。

後編では、
生物の起源に迫り、ゼロから生物を生み出そうと日々奮闘する東京大学の「野地研究室」や、蔵書数128万冊を誇り東大生の教育・研究活動を支えてきた「総合図書館」など、一般公開されていない特別エリアを巡る東大ツアーをお届けします!!

※※本企画は東大女子キャンと湘南ゼミナール双方が、CSR(社会貢献)活動の一環として、難関高受験コースの生徒向けに無料にて行っております※※