湘ゼミコラム

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スイス大手プライベートバンクのバンカー×湘南ゼミナール 特別コラボ授業 【前編】

2019.09.04

湘南ゼミナールの企業ミッション「教育百年を創造する」をもとに、教育のチカラで、子どもたちがイキイキ!できる未来を共に創造すべく始動した『イキイキPJ(プロジェクト)』。

本日ご紹介するのは、そのうち1つのプロジェクトです。湘南ゼミナールのCSR活動の一環として行っているキャリア教育企画と連動し、スイスジュネーブに本拠を置くスイス大手プライベートバンクのバンカー 鈴木武徳さんを招いた特別コラボ授業を実施しました!

世界中の著名人から全財産を預かる金融のプロフェッショナル。
「すべてをあなたに託す」・・・そんな責任重大なお仕事をとおして、湘南ゼミナールの生徒さんがさまざまな考え方を学ぶ特別授業のスタートです!

世代を超えて資産を預かる
プライベートバンカーのお仕事とは?

日本では耳慣れない「プライベートバンカー」とは、世界中の資産家・投資家や著名人を顧客に、資産管理や運用を担う、金融業界でもトップの能力を要するプロフェッショナルの仕事です。フィナンシャルプランナー1級、証券アナリスト、公認会計士といった多岐に渡る資格や技能はもとより、世界情勢、職業倫理、など信託における幅広い知識とコミュニケーション能力を必要とする仕事です。

写真:プライベートバンカーの鈴木武徳さん

今回、シンガポールから来日された鈴木武徳さん(以下 武徳さん)は、スイスにある大手プライベートバンクのバンカーとしてシンガポールに駐在し、主に日本の顧客を担当され国内のみならず世界を飛び回る生活を送られています。

武徳さん:
「横浜には25年前くらいに住んでいたことがあって、その後香港に引っ越して20年ぐらい仕事をして、この3年間はシンガポールに拠点を置いています。趣味は、ギター、バンドではボーカルもやっていました。サッカーが趣味でウイニングイレブンは20年くらいはやっていますかね…。オンラインゲームで年間1250試合やっているので、ひょっとしたら生徒さんたちが対戦相手になっているかもしれませんね!」

―――ウイニングイレブンを年1250試合?!!

生徒さん:
「えっ?ウイニングイレブンやっている時間あるんですか?」

武徳さん:
「1250試合を1年間でやるってことは、オンラインの試合20分として、1日3~4時間やれば1250試合ですね。忙しくても時間を決めてやればできますよ。」

―――さらっと伝える武徳さんに生徒さんたちは驚きの表情。

武徳さん:
「2018年にはアジア最大のスポーツの祭典〝アジア競技大会″でesports(イースポーツ)が競技の一種となったんです。その時に日本代表がウイニングイレブンで優勝しているんですよ。esportsなら、まだまだやれると思うので、ウイニングイレブンのワールドカップで優勝したいという目標があります。」

―――その、esportsの凄まじい賞金相場は次のとおり。

・Dota2/およそ157億円
・League of Legends/およそ58億8千万円
・Counter-Strike:Global Offensive/およそ58億7千万円

―――ウイニングイレブンを20年以上前から始めていたという武徳さん。趣味であるサッカーの知識は仕事にも生かされています。

武徳さん:
「銀行のお客様って人じゃないですか。当然サッカー選手もいるし、野球選手や有名企業のオーナーたちもお客様。資産家のおじいさんや音楽家など多種多様な業界の方が顧客となります。プライベートバンカーとしての取扱い価格は、およそ数億円以上からです。世界の有名なお金持ちを顧客としているので、誰が来ても見られないようにしたり、お忍び用の入口を備えたレストランを使ったりするなどプライバシーを守るのはとても大切な仕事です。」

―――巨額の資産を持つご家族の、世代を超えた運用を担うことも。

武徳さん:
「とある大手通信サービスの経営者は個人資産3兆円。日本の場合、その方がもし亡くなった場合に相続税が55%くらいあるんですよね。1兆5千憶円を現金で持っている人はそうそういなくて、株は売るまでお金にならない・・・。」

―――普段のお金のやりとりでは聞くことのない「億」「兆」・・・といった響き。そもそもお金の価値とは何なのか?生徒さんと一緒に考えます。

タケノコドル?!で、
子どもの頃から体感したモノの価値

講師:
「お金って紙じゃないですか。でもそれが何故、価値があると思いますか?」

生徒さん:
「そう思っているから価値がある??」

―――はじめて考える問いに、頭を悩ませる生徒さんたち。

武徳さん:
「答えは、〝人々″なんですね。」
「僕たちが、価値あると信じているから、そこに価値が付く。」

武徳さん:
「みなさん金(GOLD)って見たことある?金というのは世界中でとても数が少ないから、とても価値があるとされています。それが、もし戦争中だとどうなるでしょうか。戦争中にいくら金やダイアモンドを持っていたとしても、食糧難になって食べ物がなかったら、農家のお芋いっぱいとでも交換できないかもしれません。金やダイアモンドの価値はその時々で変わるんですね。」

―――ここで、ジンバブエで起きた事案を紹介。壮絶なインフレで、ジンバブエの公式通貨「ジンバブエ・ドル」が廃止されたというニュースです。ジンバブエの子どもが多くの札束を持った写真を生徒さんと一緒に見ていきます。

講師:
「この男の子が抱えているのは、全部お金です。」
「しかしこの男の子が大金持ちかというとそうではないんです。こんなに札束を持っていてもパン1つも買えない…。」

武徳さん:
「そもそもモノの価値って同じなんだけど、僕たちの頭の中で『これはすごい重要!』と思うと価値が上がっていくんですよね。そのものをどう見るかによって値段は変わるんです。」

―――小さな頃からお金にまつわる遊びをしていたという武徳さん。

武徳さん:
「私が小学生の時に、うちの家族の中で〝タケノコドル″というドル紙幣を作っていた時期がありました。兄弟でポーカーをやって、タケノコドルを儲ける。すると、家の中でならそのタケノコドルを使って買い物ができるんです。次第に『たけのこ電鉄』という電鉄会社や、いろんな会社や自動販売機を作って…最後にはこの〝タケノコドル″が日本円に変えられたらすごいなと思うようになった。例えば、10タケノコドルが日本円で100円に変えられたらすごいなって…。でもなかなか家族は変えてくれなかったんです。」

武徳さん:
「例えば、北朝鮮の〝ウォン″という通貨を買わないか?と聞かれたとします。北朝鮮のウォンをもらっても皆さんあんまり使えないですよね。そんな調子でタケノコドルも誰も買おうとしなかった。」

―――モノの価値は変わる。ではなぜ、ここ日本でもお金の価値を多くの人が同じように感じているのでしょうか。

武徳さん:
「それは便利だからだと思いますね。石器時代は石をお金の代わりにしていました。その後、農家が野菜を作り、漁師が魚を釣り、山の猟師は猪を捕まえ、物々交換をしていた。それがお金の無かった時代ですね。物々交換だとそのたびに猪や魚を運ばなければいけないっていうのはとても面倒ですよね。
そしてその後、滅多にない綺麗な石を猪と交換して、その石と魚を交換できるようにしようという取り決めが作られ、重い石が軽い石へ…そして石の数が足りなくなって、じゃあみんなが真似できないような特殊な紙にしよう…って歴史的にはそういう流れなんですよね。やはり利便性、便利だから〝お金″を使う価値が高まったと思いますね。」

―――日本でも、電車を利用する際には「Suica」や「PASMO」といったICカードを使用したり、仮想通貨「ビットコイン」といった暗号資産も流通し、利便性が益々高まっています。
仮想通貨や世界の会社事情などこの場でしか聞けないお話や、さまざまなお金の価値を学んだ生徒さんたち。

―――ここで生徒さんたちから質問。

「昔は銀行に50万円預けたら結構な利子があったけど、今はなにも帰ってこないって聞くけどなんでですか・・・?」

以上、取材より。

次回、『スイス大手プライベートバンクのバンカー×湘南ゼミナール 特別コラボ授業』後編では、銀行に預けたお金に発生する利子の疑問から、日本の国家予算や株を学びます。プライベートバンカーだからこそ出会う、「いきなり大金持ちになった人」のストーリーもご紹介!

※※本企画はプライベートバンカー鈴木武徳さんと湘南ゼミナールの企業交流プロジェクトVISIONARY SWANS双方が、CSR(社会貢献)活動の一環として、難関高受験コースの生徒さん向けに無料にて行っております※※