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【実践的】小学生への国語の教え方|読解・作文・暗記克服のコツを解説

小学生のお子様が国語を苦手としている場合に、「おうちで教えたいけれど、どうやれば国語力がアップするかわからない」と悩む親御様は多いのではないでしょうか。

国語(特に読解の部分)は単なる暗記ではないため、反復すればできるようになるものではありません。そのため、自宅での教え方がかなり難しいという一面があります。

そこで、この記事では、家庭で国語を教える場合のコツや方法について、「(1)読書・読解」、「(2)作文」、「(3)暗記(漢字・ことわざなど)」の3つに分けて詳しく解説していきます。

また、後半では、小学生の子どもに国語を教えるときの注意点についても解説しています。

「国語力(特に読解力)」は、他の教科の問題を解く時にも必要となる、非常に重要なスキルです。小学生の早い段階からしっかりと基礎を作っていくことをおすすめします。

自分のお子様の国語力をアップさせたい親御様はぜひ参考になさってください。

1.【読書・読解】が苦手な小学生への国語の教え方

まずは国語の基礎の部分となる「読解力」についての家庭での教え方を解説していきます。読書自体が苦手というお子様をお持ちの親御様もぜひ参考になさってください。

読書・読解が苦手な小学生への国語の教え方(1)まずは一緒に文章を読む機会を意図的に作る(2)音読で丁寧に読む練習をする(3)読んでいる本の内容を要約してもらう(4)文章を読みながら印やメモを残す習慣を付ける(5)「事実」と「意見・感想」を区別する練習をする(6)「しかし」「だから」など接続詞の意味を理解させる

1-1. まずは一緒に文章を読む機会を意図的に作る

読解力が苦手というお子様には、まずは「読むこと」に対する抵抗感をなくしていくことが大切です。そのために、意図的に文章を読む機会を作っていきましょう。

お子様の年齢や文章に対する抵抗感にもよりますが、小説などの文章が苦手というお子様ならば、まずは絵本からスタートしたり、漫画を取り入れてみたりするのもおすすめです。難しい文章を読むことよりも、読むことを習慣化することが重要です。

自分で読むのが難しい場合には、大人が読み聞かせをするのも良いですし、読書の時間を設けるのもおすすめです。

また、リビングや子ども部屋に本棚を置いて、お子様が読みたい時にすぐ本を手に取れる環境を作るのも良いでしょう。

1-2. 音読で丁寧に読む練習をする

読解力が低い原因の一つとして、文章を読み飛ばしているお子様もいます。読み飛ばしが癖になっているような場合には、読書とは別に「丁寧に読む練習」として音読をしてもらうのも効果的です。

毎日5分〜10分程度で良いので、教科書の音読を親御様の前でしてもらう時間を作りましょう。側で聞いている人がいるからこそ、読み飛ばさずに丁寧に読む意識が働きます。

教科書の音読に慣れてきたら、今度はお子様が苦手な文章を音読してもらうのもおすすめです。例えば、「物語文は読めるけれど説明的文章が苦手」なお子様には、あえて説明的文章を音読させるなど、練習を重ねましょう。

1-3. 読んでいる本の内容を要約してもらう

文章の意味や主張を捉えるのが苦手なお子様への教え方としては、読んでいる本の内容を要約してもらうトレーニングを繰り返すのがおすすめです。そうすることで「文章を通して筆者が伝えたいこと」を的確に掴めているか確認できます。

お子様が今読んでいる本を、学校に行っている間に読んで、どんな内容だったかを共有して語る機会を設けましょう。親御様と同じ本を読む経験は、お子様にとってはとても嬉しいものなので、楽しい時間になるはずです。

本のストーリーをわざと間違えて言ってみるのも効果抜群です。お子様が「そういうお話じゃないよ!」と言ってきたら、教えてくれたことへの感謝を示してみましょう。褒められたお子様はより一生懸命ストーリーを読むようになるはずです。

1-4. 文章を読みながら印やメモを残す習慣を付ける

文章をただ漫然と読むのではなく、読みながら印やメモを残すようにすることで、どんな文章でも正確に読めるようになります。できれば読み飛ばしを防ぐために「音読しながら」がおすすめです。

【印やメモの残し方】

・文章の「いつ」「どこで」「だれが」に〇を付ける・気持ちを表す言葉に〇を付ける(プラスの感情は「プラスの感情」などメモしておく)・繰り返し登場する言葉には、濃い〇を付ける・「しかし」「つまり」などのつなぎ言葉にも〇を付ける
メモ・場所や季節、感情など重要なポイントを、余白(文章の上など)にメモしておく

参考:早川尚子, 『お母さんが教える国語 親子で成績を上げる魔法のアイデア』, ダイヤモンド社, 2010年

このように、時間の移り変わりや感情の変化などを重視しながら読むことで、ストーリーを把握しやすくなる効果があります。

読解問題においても、印やメモを残しながら読み進めることで、後に出題される問題で振り返るポイントが明確になり、得点につながりやすくなります

1-5.「事実」と「意見・感想」を区別する練習をする

どれが事実で、どれが意見や感想なのかを区別する練習をするのも、国語が苦手な小学生に効果的なトレーニングです。この3つが区別できないと、文章を正しく理解するのが難しくなってしまうからです。

この練習に使えるのが、朝日新聞に掲載されている「天声人語(てんせいじんご)」というコラムです。天声人語は朝日新聞の朝刊1面に掲載されているコラムで、600文字程度にまとめられた文章の中で、事実・意見・感想が述べられています。

時事問題を取り扱っていることもあり、大学受験対策としてもたびたび取り上げられる名物コラムです。

この天声人語の記事を、「事実(ニュースそのものや投げかけ)」と「コラムを書いている人の感想や意見」の2つに色分けをする練習をします。

例えば、前者を黄色のマーカーで、後者をピンクのマーカーで塗って色分けしましょう。間違えたらやり直せるよう「こすったら消えるマーカー」で引くのもおすすめです。

1-6.「しかし」「だから」など接続詞の意味を理解させる

「しかし」「だから」などの接続詞を完璧に理解させることも重要です。接続詞がわからないと、文章の意味を捉えにくくなってしまうからです。

【接続詞の例】

順接「だから」「すると」「それで」「そこで」「したがって」など
逆接「しかし」「でも」「けれども」「だが」など
並列「また」「それに」「さらに」「および」など
例示「たとえば」「いわば」など
添加「そして」「しかも」「さらに」「そのうえ」など
説明・換言「なぜなら」「つまり」「すなわち」など
選択「あるいは」「それとも」「もしくは」など
話題転換「ところで」「さて」「それでは」など

特に、逆接(反対)の意味となる「しかし」「でも」「だが」や、話題転換(「ところで」など)がわからないと、文章の意味が全く理解できない状態に陥ってしまうでしょう。

接続詞の働きを理解すると、ストーリーの肝心な部分が接続詞の前や後に出てくることがわかってくるはずです。

例えば、「逆接」(「でも」など)の表現が使われている場合には、逆接の接続詞の後に書かれている内容が筆者の言いたいことである可能性が高まります。また、「なぜなら」「すなわち」などの言い換えの後には、筆者が一番言いたいことがまとめられています。

つまり、接続詞の前や後には、読解問題で問われる答えが書かれている可能性が高くなります。接続詞が出てきた部分には〇を付けて、常に接続詞に注目する癖をつけるのがおすすめです。

2.【作文】が苦手な小学生への国語の教え方

ここからは、国語の中でも「作文(文章を書くこと)」が苦手な小学生のお子様への効果的な教え方について解説していきます。

先ほど解説した読解力と同じくらい、「作文力」や「表現力」はとても重要な能力です。中学校や高校、大学の受験においても作文や小論文の重要性は高まっています。

ただし、作文が上手くなるためには、文章の成り立ちを理解するだけでは足らず、語彙力や表現力、論理的思考力、質問に対する理解力など総合的な力が必要となる点に注意が必要です。

作文が苦手な小学生への国語の教え方(1)まずは日常的にアウトプットする習慣を付ける(2)基本のテンプレートを教え込む(3)日記を付ける習慣をつくる(4)いろいろな表現に触れて語彙力を増やしていく

小学生生活においては、夏休みの絵日記や読書感想文など、自身が体験した内容をテーマにした作文がメインになるでしょう。

具体的に作文が上手になる教え方を解説していくので、ぜひ参考になさってみてください。

2-1. まずは日常的にアウトプットする習慣を付ける

手を動かして文章を書く前に、まずは日常的に自分が思っていることや感じたことをアウトプットする習慣を付けることを教えるのが効果的な場合があります。

「作文が苦手」という小学生の中には、「何を書いたら良いかわからない」「文章の膨らませ方がわからない」というお子様も非常に多いのです。

例えば、「学校は今日どうだった?」と聞かれて「楽しかった」という感想で終わってしまうお子様の場合、「今日の出来事を作文にして」と言われてもできないケースがほとんどです。

「楽しかった」で終わらせるのではなく、「何をしたのか」「誰としたのか」「その時に何を感じたのか」「なぜそう感じたのか」「そう感じるに至った原因は何だったのか」などを自分の言葉で説明できるようになることが、作文力の土台となります。

2-2. 基本のテンプレートを教え込む

自分の感じたことを口では表現できても作文となるとできなくなってしまう場合には、基本のテンプレートを教えるのがおすすめです。

最初に「一番伝えたい出来事(テーマ)」と「一番伝えたい気持ち」を設定して、その間を複数の出来事や気持ちで埋めることで、自然に作文が完成します。

【作文の基本のテンプレート】

(1)はじめ一番伝えたい出来事(メインのテーマ)
(2)おわり一番伝えたい気持ち
(3)中「詳しい出来事+その時の気持ち」をセットにして複数用意する

この基本以外にも、日記を付けるときのテンプレートや読書感想文のテンプレートも検索すると見つかるので、まずはテンプレートを使って基本形を覚えさせましょう

作文に慣れてきたら、テンプレートを使わなくても自然に文章を作れるようになるはずです。

2-3. 日記を付ける習慣をつくる

「文章を書くのが苦手」「特に長い文章を書くのに抵抗がある」というお子様が増えている中、作文に苦手意識を持たせたくないならば、日記を習慣化するのがおすすめです。

毎日続けることで、「文章を書くこと」「自分の考えをまとめる力」を当たり前の作業にさせるのです。

継続して行うことで語彙力や表現力も磨かれるでしょうし、与えられたテーマをどう膨らませるかを考える練習にもなります。

例えば、お子様に「今日学校で楽しかったこと・嬉しかったこと」を聞いて、その内容について「いつ」「どこで」「誰と」「何をしたか」「なぜそうしたのか」「どうやったのか」「どのくらいやったのか」などを追加で質問します。

【毎日の日記の作り方の例】

いつ体育の授業
どこで学校の校庭
誰とクラスのみんな
何をしたか短距離走の練習をして4人中1位になった
なぜそうしたのか一緒に走るメンバーは先生がランダムに選んだ
どうやったのかお父さんと走る練習を土日にしたから1位になれた
どのくらいやったのか途中まで競っていたが諦めなかったから1位になれた

ここまで材料が集まれば、あとは素材を文章にすれば日記を作成できるはずです。

単に「体育の授業が楽しかった」で終わらせるのではなく、「なぜ楽しかったのか」「どういう部分で嬉しさを感じたのか」を聞き出して文章化することで表現力も磨かれていきます。

例えば、上記の例では、ただ「1位になれたから嬉しかった」で終わらせるのではなく、「土日にお父さんと練習した努力が報われたこと」や「途中で諦めなかったことが功を奏したこと」など結果に至るまでの過程も表現できるようになると、文章構成力が身に付いていくでしょう。

2-4. いろいろな表現に触れて語彙力を増やしていく

文章が書けるようになっても「いつも単調な表現になってしまう」というケースでは、語彙力が足りていない可能性があります。この場合は、いろいろな表現に触れて語彙力を増やしていくことが大切です。

本や新聞を読むことで、日常会話にはない独特の言い回しや語彙、漢字の使い方に触れることが可能です。

小説や論説文などを読んでくれるのが一番ですが、難しければ漫画を通じていろいろな表現に触れるのも良いでしょう。

3.【暗記(漢字・ことわざなど)】が苦手な小学生への国語の教え方

ここからは、「漢字が覚えられない」「ことわざや慣用句などを覚えられない」など、国語の中でも暗記が苦手なお子様への教え方について解説していきます。

暗記(漢字・ことわざなど)が苦手な小学生への国語の教え方(1)イラストやキャラクターのドリルで楽しく覚えさせる(2)ことわざ・熟語などは「かるた」で反復して覚えさせる(3)ただ何度も書かせるのではなく成り立ちを説明する

3-1. イラストやキャラクターのドリルで楽しく覚えさせる

漢字や慣用句など、暗記が必要なものについては、イラストやキャラクターがふんだんに使われているドリルで楽しく反復して覚えさせるのが効果的です。

暗記を克服するには「反復練習」が大事ですが、嫌々やらせたり、同じ漢字を何度も何度も書かせたりするのは、お子様のやる気を削いでしまうためおすすめしません。

できればお子様と一緒に本屋さんに行って、好きなキャラクターが載っているなど取り組みやすいドリルを選ばせるのがベストです。

こうしたドリルは、小学生が興味を持ちやすいように、身近なものを題材にしたりコミカルな例文が載っていたりという工夫がされているため、飽きずに毎日継続して続けられるはずです。

3-2. ことわざ・熟語などは「かるた」で反復して覚えさせる

「うそから出たまこと」「さじをなげる」などのことわざや熟語は、「かるた」で反復して覚えさせるのがおすすめです。

ただ書き取りをしていても飽きてしまうため、ゲームにすることで楽しく学べます。

湘南ゼミナールの「グリムスクール」での様子

同じかるたを何度も繰り返して遊ぶだけでも、耳と声で記憶して定着につながるのでおすすめです。

3-3. ただ何度も書かせるのではなく成り立ちを説明する

漢字を何十回も繰り返し書かせても、その意味をイメージできていなければ覚えることは難しいでしょう。そうではなく、漢字の成り立ちを説明したほうが頭に残りやすくなります。

例えば、「人」という漢字をただ何回も書かせるのではなく、「2人のヒトがお互いに支えあっている」という意味やイメージ図をイラストで書いてあげた方が、漢字の意味と形が結び付きやすくなり記憶に定着しやすくなります

部首の意味を教えてから、同じ部首の漢字を同時に覚えていくのもおすすめです。

ことわざについても同様に、由来となったエピソードがあればそれを教えて、イメージさせることで記憶に残りやすくなります。

例えば、「火中の栗を拾う」はイソップ物語が基になった言葉と言われていますし、「人生万事塞翁が馬」は中国古代の哲学書に登場するお話が由来にあります。覚えにくい言葉があったら、由来を調べてみて、ストーリーを説明すると覚えやすくなるためおすすめです。

やみくもに暗記させようとしても、逆に苦手意識が生まれてしまう原因となります。「絵から生まれた漢字が多いんだよ」「こんなストーリーからできたことわざなんだね」など、「国語って面白いな」と思ってもらえるよう工夫しながら教えていきましょう

4. 小学生への国語の教え方で気を付けるべきポイント

1章から3章で具体的な教え方について解説しましたが、最後に全体を通して、小学生のお子様に国語を教える時に気を付けたいポイントについて解説していきます。

4-1. まずは「読む」「書く」を確実に身に付けることが大切

自分の子どもが「国語が苦手だな」と感じた場合は、まずは「どのあたりが苦手なのか」をしっかりと探ったうえで、「読む」「書く」を確実に身に付けさせることが大切です。

「読む」「書く」ができていないのに、漢字やことわざなどを頑張っても、なかなか国語力がアップしないからです。

今回解説した教え方を参考に、文章を読んだり、自分の感情を表現したり、日記など書くことを習慣化させたりすることを家庭で進めていきましょう。

4-2. 楽しく教えることを重視して国語好きにしよう

特に低学年に言えることですが、楽しく教えて国語を好きになってもらえることを重視するのがおすすめです。

「勉強しなさい」と無理やりやらせたり、漢字を何回も書かせたりすることで、お子様本人が辛いと感じてしまうと逆効果となってしまいます。

本記事で伝えた方法にもあったように、好きなキャラクターのドリルを使ったり、かるたなどのゲームで覚えたり、解き終わったらシールのご褒美をあげたりすることで、楽しくモチベーションを維持しながら教えることが大切です。

読書や勉強の時間を設ける時も、お子様にやらせて放置するのではなく、近くで本を読んだり音読を聞いたりするなど一緒に勉強するようにしましょう。

4-3. 小学校のテスト対策は教科書・ワークを基本に教える

国語力をアップさせたい目的が「小学校のテストで良い点を取ること」の場合は、日々の勉強を、教科書と教科書準拠のワークブックを中心に行うのがおすすめです。

できればワークはテスト前に3周解き直しをして、間違った問題を振り返って次からは間違えないようにします。

中高生向けの内容となっていますが、「【完全版】定期テスト対策|中学・高校生が90点を取るための勉強法」の記事もぜひ参考になさってください。

4-4. 中学受験は最新の問題傾向をしっかり把握することが重要

中学受験対策として国語を教える場合には、最新の問題傾向をしっかり把握することがとても重要です。市販の問題集や学習塾も活用しながら、志望校の最近の傾向を踏まえて勉強を進めていきましょう。

志望する中学によって問題傾向は異なりますが、近年は以下のような入試の傾向があります。

近年の中学受験の国語の問題傾向・問題文の文量が増えているため、スピーディかつ正確に理解する力が必要・「自分の意見を書きなさい」など思考力を問う問題が増えてきている・グラフや図表の読み取りなど、教科横断型の出題が多くなっている・国語の教科以外にも「適性検査」などで作文力が必要なテストが増えている

例えば、「この問題はどのように解決すれば良いと思いますか?」や「このストーリーの続きを考えて書きなさい」など、ただ問題文を理解しただけでは解けない問題も増えてきています

こうした問題にも柔軟に対応するためには、国語力だけではなく普段からさまざまな時事問題に触れたりいろいろな体験をしたりすることも重要になります。

できるだけ早い段階から情報収集を行って、準備を進めることが必要です。

4-5. 読書すれば国語力が上がる訳では無い

読書の習慣を作ることで「長文を読めるようになる」「読解力の基礎が身に付く」ことは事実ですが、読書するだけで国語力が上がるわけではない点に注意しましょう。

国語のテストで良い点を取るためには、やはり、解き方のコツを覚える必要があります。例えば、過去問を解いて問題の傾向を掴んだり、先に問題文の選択肢を見てから出題文を読むようにしたりなど、ある程度のテクニックは必要となります。

テクニックを身に付けることで、効率的に、限られた時間内で良い点数を取り続けられるようになります。

読解力が上がってきたら、今度はテストでも高得点を取れるようなトレーニングにシフトしていくなど、お子様の段階に応じて勉強方法を切り替えていくのがおすすめです。

5. 国語を教えるのが難しいなら学習塾も検討しよう

小学生への国語の教え方について解説してきましたが、「やはり家庭内では限界がある」「自分ではうまく教えられない」という場合には、プロである学習塾におまかせするのが良いでしょう。

国語力(特に「読解力」)は、他の教科においても基礎となる大切な能力となります。問題文を精読できなければ、国語だけでなく算数や理科、社会などあらゆる教科でもミスを連発することに繋がりかねません。

自宅での学習が難しくても、諦めずに、しっかりと早めに対策することをおすすめします。

小学生が国語の学習塾を選ぶ場合には3つの選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

【小学生が国語の塾を選ぶ時の3つの選択肢】

選択肢メリットデメリット
国語にだけ特化した「国語専門学習塾」国語の教育に長けた講師が教えてくれる国語以外の教科については学べない
自由に学習教科を選べる「個別指導塾」一人ひとりのペースに合わせてじっくり教えてくれる国語の教え方が上手い講師に教えてもらえない可能性がある
カリキュラムがしっかりしている「集団指導塾」仲間と楽しみながら国語力を身に付けられる集団で萎縮してしまうタイプのお子様だと馴染みにくい

小学生向けの国語の塾については、「小学生 国語 塾」の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考になさってください。

\湘南ゼミナールなら楽しく国語を学べます/

湘南ゼミナールの「グリムスクール(小2・小3対象)」は、「ものしりカルタ」や「パネルランニング」というクイズ形式のゲームなどを通じて、楽しくワイワイ国語力を伸ばしていくことができます。

「ずかいde国語(小4対象)」では、芥川龍之介や太宰治などの名作を扱い、豊富なイラストや写真を活用してお子様の好奇心に働きかけることで、深く読み解く力を育みます。

小学生のできるだけ早い段階から国語力をしっかり付けることは、中学受験をしない場合でも、その先の高校・大学受験を勝ち抜くために非常に重要です。

中学受験の予定がない場合、「本格的に学習塾に通うのは中学生になってからでいいかな」と考えるかもしれません。しかしながら、年々難化している公立高校トップ校に合格するには、やはり小学生からの通塾がおすすめです。

以下のように、小学生から通塾している児童さんの方が、中学生から通塾している生徒さんと比べて「高内申」を得ている結果が出ています。

特に国語力は、国語だけでなく全教科の基礎となる読解力を養うために非常に重要な教科です。多彩な語彙や表現、文章構造を読み取る力が無ければ、難問を落としてしまう原因になりかねません。

「まだ受験は先」という場合も、将来の受験勉強をスムーズに進めるためにも、できるだけ早い段階から国語力を身に付けることを検討してみることをおすすめします。

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まとめ

本記事では「国語が苦手な小学生への教え方」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

▼読書・読解が苦手な小学生への国語の教え方

(1)まずは一緒に文章を読む機会を意図的に作る(2)音読で丁寧に読む練習をする(3)読んでいる本の内容を要約してもらう(4)文章を読みながら印やメモを残す習慣を付ける(5)「事実」と「意見・感想」を区別する練習をする(6)「しかし」「だから」など接続詞の意味を理解させる

▼作文が苦手な小学生への国語の教え方

(1)まずは日常的にアウトプットする習慣を付ける(2)基本のテンプレートを教え込む(3)日記を付ける習慣をつくる(4)いろいろな表現に触れて語彙力を増やしていく

▼暗記(漢字・ことわざなど)が苦手な小学生への国語の教え方

(1)イラストやキャラクターのドリルで楽しく覚えさせる(2)ことわざ・熟語などは「かるた」で反復して覚えさせる(3)ただ何度も書かせるのではなく成り立ちを説明する

苦手意識を持ってしまうと逆効果なので、できるだけ楽しく一緒に学べるように工夫することが大切です。国語力は、全ての教科の基礎となる重要なスキルなので、早い段階からフォローアップしていきましょう。