湘ゼミコラム

公立中高一貫校受検

南高等学校附属中 徹底取材/特集②「適性検査とは?学校施設と生徒さんに迫る!」

前回の特集記事①「人気の理由。効果絶大のラウンド制とは?」はご覧いただけましたでしょうか。
湘南ゼミナールでは学校情報をお届けすべく、横浜市立南高等学校・附属中学校の学校設備を写真たっぷりでご紹介します!

今回は、高倍率な中学受検を突破し、同校に通う生徒さん達がどのような日々を過ごしているのか…入学後の学習や部活動についても学校へ取材しました。
気になる中学受検の最新情報と併せて、ぜひ以下よりご覧ください。

南高等学校・附属中の校内を徹底紹介!
中高生が自然と交流する環境

横浜市立南高等学校・附属中学校は、同じ校舎で中高生が共に過ごしています。まずはその校内についてご紹介します!

全生徒が登校する玄関口。

玄関口を抜けると、各大学の最新情報が掲載されたパンフレットなどが配置されています。高校生はもちろん、中学生の頃から自然とこうした情報に触れる機会を持ち、自分たちの近い将来を日常的にイメージできる環境にあります。モニターで各大学の映像紹介も週替わりで放映されているといいます。

玄関口からすぐの場所に設置された大学案内

近くには、「フーコーの振り子」が演示されています。フーコーの振り子とは、フランスの物理学者レオン・フーコーが1851年パリ天文台とパンテオン寺院にて行った実験で、地球が自転していることを証明するために作られたものです。

フーコーの振り子

このフーコーの振り子は、”地球はぼくらをのせて今日も回っている…”という無限の宇宙ロマンを感じてほしいと、南高の地学部・化学部・電気通信部の48期生が設置したものだそう!

校内は明るい大きな窓が印象的で、至る所で生徒さんが自由に勉強をしています。

教科センター

各教科の職員室横には、「教科センター」といわれるフリースペースが設けられています。棚には参考書が並び、生徒さんは自由に使用して勉強することができるほか、職員の空き時間にはその場で質問対応などもできるといいます。
さらには個別ブースが設置された学校とは思えないほど整った学習スペースも!

「社会科センター」地歴公民科学学習コーナー

次に注目したいのが、中高生共に使用できる「南高図書館」。文科省の標準蔵書数を大きく超える約3万冊の蔵書数で、洋書も数多く取り揃えています。

南高図書館

「南高図書館」の奥には、パソコン室やDVD鑑賞室も完備。明るく静かな空間で自習にも最適な環境が整っています。

さて、次の場所へ移動…その道中には、生徒さんたちの作品が多く展示されています。生徒さん同士で学校を作り上げていく南高等学校・附属中学校らしいイメージが伝わってきます。

書道部の生徒さんによる大型作品展示

次に、学校設備としては珍しい2つの施設をご紹介!
1つ目は、中高生共に使用可能な「南高ホール」。座席数384席の多目的ホールで、集会や保護者会はもちろんコンサートなども実施されています。

南高ホール

2つ目は、45席のリクライニングシートで世界中の星空が投影できるというプラネタリウム!学校でこんな体験ができるのは、魅力的と感じる方も多いのではないでしょうか。

そして、皆さんが入学すると毎日のことだからと気になるのが…昼食ではないでしょうか。
南高等学校・附属中学校には、学生用の食堂があります。

食堂内の様子

現在はコロナウイルスの影響で食堂内の座席数は制限されており、校舎に持ち帰れるお弁当も用意しています。食堂では毎日手作りされる安心安全の料理が並びます。
食堂に設置された自販機では「アイスも買える!」と生徒さんたちからも大好評です。

食堂内の厨房。毎日手作りの給食が食べられるのも魅力!

ほかにも部活動などに使用する施設として、校内には体育館2つ、グラウンド、テニスコート5面、柔道場などが揃っています。学校では珍しい観覧席のついた野球場もあります。

グラウンド
メインアリーナ、サブアリーナ、格技場、トレーニング室やプールも備える総合体育館
公式戦でも利用される野球場

部活動は週3程度
限られているからこそ濃い時間に

南附属中には18の部活動があります。
中高一貫校のため高校受験がないことから、2020年度の夏より中3最後の夏の大会等が終了した生徒さんは、その後すぐに高校の部活動へ参加できることとしています。

運動部

陸上競技/野球/ソフトテニス/男子バレーボール/女子バレーボール/サッカー/男子バドミントン/女子バドミントン/男子バスケットボール/女子バスケットボール/女子硬式テニス

文化部

演劇/弦楽/茶道/科学/吹奏楽/美術/書道
※吹奏楽部など部活動によっては、6年間継続して入部できるものもあります。

部活動の活動日は月・水・金の週3回 (※土日のどちらか1日活動する部活も有)

学校によると、複数の行事や週に2回の7時間授業、月に2回程度の土曜日授業を実施していることから部活動の時間を絞っているといいます。
一方で、時間が限られているからこそ、生徒さんたちは部活の時間をとても楽しみにしており、運動部でも県大会ベスト8入りなど結果を出している部活もあります。

活発に話し合い、教え合う。
クラスは共鳴できる友人が集まる場所。

前回の記事でお届した授業に加えて、学校生活について先生方に話を伺いました。
(以下より、学校インタビュー)

授業以外に、学習面で実施していることは何ですか?

梶ヶ谷先生:
家庭学習を定着させるため、1週間に一度「私の週プラン」という学習プランを実践しています。宿題や小テストといった各教科の予定をもとに、生徒がTo Doリストを作成します。自分は何をやろうかと決めることが第一段階で、その後実際に何をどのくらいの時間でやったかを記入します。

教員が毎週金曜日に生徒さんから回収しフィードバックを行うほか、生活習慣を記録していくことで保護者面談の際にも勉強や生活についてお話する際に使用しています。

学校では、中学生と高校生のクラスが隣り合って授業を受けるオープンな印象ですが、生徒さん達はどんな風に過ごしていますか?

梶ヶ谷先生:
好奇心旺盛な生徒が多く、中学生のうちから「○○大学へ行きたい」、「何の職業に就いたらこういうことができるか分からないけど、社会に対してこんなことができたらいいなと考えていまして…」といった話をしてくれる生徒が多くいます。

藤森副校長:
相乗効果ですよね。生徒同士で「こんなことがしたい」と聞いたときには、意見を受け入れて、「いいねいいね!」「じゃあこういうことをやろう!」と共鳴できる子がクラスにたくさんいます。

実際にどの校舎でも、生徒さん同士が活発に話し合いながら授業が展開されています。

入学するにはどんな試験を受ける?
中高一貫校の適性検査について

神奈川県内の中学受検の倍率は、例年で約4倍~7倍超と非常に高い推移となっています。
中高一貫受検で必須となる「適性検査」について学校にお話を伺いました。

中学受検で実施される適性検査の問題は、小学生としては難度の高いものとなっています。学校側としては、どのような能力を測ることを目的に実施していますか?

藤森副校長:
公立中高一貫教育校の適性検査というのは、どの漢字が書ける、計算が早い・正確、といった知識の部分だけではなく、それをいかにすばやく運用できるかという力が試されます。

こうした「思考力」を測る目的で、多量な資料の中から大切な情報をピックアップして思考していくという力を見るテストを実施しています。

適性検査を突破して入学した生徒さんたちは、どんな印象を感じますか?

梶ヶ谷先生:
合格した方が特定の科目が得意かというと全然そんなこともなく…ただ皆さんどこかにキラリと光るところがあり、好奇心の強いお子さんがとても多いと感じます。

他校で指導していた際の経験と比べても、勉強に関して「苦手だからこれはやりたくない」ではなく、苦戦していたとしても前向きに取り組むお子さんが多いように感じます。
教師は、その好奇心を潰さず、がっかりさせずに伸ばしていく努力が求められていると感じています。

2022年度 受検概要

募集定員 160 名(男女 各 80 名)

【志願資格 承認申請期間】
2021年12月1日(水)~12月14日(火)
※横浜市外から横浜市内に転居予定の方は横浜市教育委員会教育長の承認(入学志願資格)を必要とします。入学志願資格の申請・承認期間にご注意ください。

【募集期間】
2022年1月5日(水)・6日(木)・7日(金)

適性検査 2022年2月3日(木)

適性検査Ⅰ 文章・図・表やデータなど与えられた資料を的確に読み解き、課題をとらえて適切に 表現する力をみる。

適性検査Ⅱ 自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断 し的確に表現する力をみる。

合格発表 2022年2月10日(木)

令和4年2月 10 日(木)午前 10 時に、合格者の受検番号を同校が管理するホームページに掲載する。

※南附属中HPより

以上、取材より。

学校情報

学校名:横浜市立南高等学校附属中学校
所在地:神奈川県横浜市港南区東永谷2-1-1

公式サイト