湘ゼミコラム

高校受験・入試

2024 神奈川県 公立高校入試/日程・特色検査実施校の動向と対策を詳しく!倍率の捉え方と模試

2024年度(令和6年度)の神奈川県 公立高校入試日程が、神奈川県より発表されました。

全日制の高校では、共通選抜による1度の選抜機会で、受検者全員に対し「学力検査」が実施されます。
また、一部の高校では特色検査(自己表現検査/実技検査)があります。

※クリエイティブスクールでは学力検査を行いません。

※出願後、該当期間中に1回のみ志願変更することが可能です。

入試日程は次の通りとなります。

2024年度(令和6年度)神奈川県 公立高校入試 日程 ※共通選抜

募集期間
2024年1月24日(水)~1月31日(水)まで ※土日を除く

志願変更期間
2024年2月5日(月)~7日(水)まで
※連携型中高一貫教育校連携募集は除く

学力検査等の期日
2024年2月14日(水)

面接及び特色検査の期日
2024年2月14日(水)、15日(木)及び16日(金)
※連携型中高一貫教育校連携募集は2月15日(木)のみ
※インクルーシブ教育実践推進校特別募集は2月15日(木)及び16日(金)のうち、当該高等学校長の定めた期日

追検査の期日
2024年2月20日(火)

合格発表
2024年2月28日(水)

※神奈川県2023年4月27日発表情報より
※二次募集に関する情報は 神奈川県公式HP にてご覧ください。

「特色検査」共通・共通選択問題で実施する高校

横浜翠嵐/川和/希望ケ丘/横浜平沼/光陵/柏陽/横浜国際(単位制国際科・国際バカロレアコース)/横浜緑ケ丘/多摩/横須賀/鎌倉/湘南/茅ケ崎北陵/平塚江南/小田原/厚木/大和/相模原 ※計18校

※特色検査を実施する場合、学力検査を3教科まで減じる場合があります。

2024年度(令和6年度)の特色検査 共通・共通選択問題を用いて行う18校では、マークシート方式の解答用紙を使用することが発表されています。

※横浜国際高等学校国際科国際バカロレアコースは除く

ただし、すべての問題がマークシート方式になるわけでなく、記号選択式問題と記述問題との併用となります。

Point 「共通問題」と「共通選択問題」とは??

学力向上進学重点校及びエントリー校の計18校で同じ問題を実施する「共通問題」と、
各高校が選択した問題を実施する「共通選択問題」の両方が特色検査(自己表現検査)で出題されます。

解答用紙は、選択された問題以外を含む全ての解答欄があるため、受検校で使用しない解答欄への注意が必要です。
また、問題冊子の問題番号と解答用紙の問題番号を一致させるため、各高校における問題番号が問1、問2、問3、問4とはならない場合があります。解答マーク欄のズレ等、ケアレスミスには注意が必要です。

※2022年10月17日付 神奈川県発表情報より抜粋

上記の18校に加えて、学校独自の問題で特色検査(自己表現検査)を実施する高校は次の7校です。

田奈/釜利谷/横須賀南/大井/大和東/津久井/川崎市立川崎総合科学/海洋科学/神奈川総合(単位制普通科国際文化コース・単位制舞台芸術科)/横浜サイエンスフロンティア(単位制理数科) ※計10校


※上記の他、相模向陽館(定時制)で実施

特色検査は、各教科の知識の活用はもちろんのこと、教科の枠を越えた「思考力」や「応用力」が試される検査です。共通・共通選択問題で実施されるようになって以降、問題の傾向や対策内容も見えてきています。

横浜翠嵐高校をはじめとする難関校を受検するうえでは、特色検査の対策は必須と言っても過言ではありません。実施校のなかでも、特色検査にどれだけ重きを置いている高校であるかを知ることは受検において重要です。

各校が定める選考基準「内申:学力検査:特色検査」得点比率のうち、特色検査の割合を1としている川和、希望ケ丘に対し、割合を2としている湘南、柏陽、厚木、横浜緑ケ丘、さらには、割合を3としている横浜翠嵐の方が特色検査を重視する傾向であることが見てとれます。

志望する高校の選考基準を確認し、学習状況と照らし合わせ、何に力を注ぐべきかをしっかりと見極めていきましょう。

\詳しく知りたい!/
▼入試のしくみや選考基準についてはこちら

【2023 高校受験】神奈川 公立高校の入試制度が丸わかり!配点の仕組み・面接・特色検査・日程も詳しくチェック

2024年度(令和6年度)入試に向けて 〜特色検査 最新の出題振り返りと対策〜

2023年度(令和5年度)の特色検査 講評から、出題内容・課題と対策方法を見ていきます。

※湘南ゼミナール教務支援部 特色責任者監修

特色検査「共通問題」(問1・問2) 講評

問題の概要

複数文の素早い読解力が求められる、英語・国語の文章題

昨年同様に大問2題の構成で、問1は英語で記述された2つの会話文と1つの発表原稿、問2は日本語で記述された2つの説明文を題材にした出題であった。

問1は、「ハイブリッドカー」や「電気自動車」をテーマにしたもので、昨年同様に複数の文章からの出題であった。設問は、ほぼ例年通りの形式のものであったが、(ア)の計算問題にてこずった受験生はやや多くいたのではないか。
問2は、「蛍」をテーマにしたもので、2つの説明文から構成されている。設問の(ウ)はプログラミングと箱ひげ図を組み合わせた出題があり、昨年も見られた本文に依拠しない問題であった。

設問の特徴

「科目横断」要素を含む出題

ページ数・問題数に関しては、問1が4ページで5問、問2が6ページで5問の出題をしており、概ね昨年に近い分量であった。

問1は、計算要素が含まれる問題、英文内容を読み取り日本地図から適した県を選択する問題が出題された。
問2は、俳句やプログラミングと箱ひげ図、理科の生物を題材にした出題がされるなど、科目を横断した総合的な理解力が求められた。これらの傾向は昨年同様であったが、(オ)では、2つの文章からわかったことをまとめた一文として、ふさわしくないものを選択させる出題があり、内容としては過去にも出題はあるが、形式としてやや目新しさがあるものであった。
そのためにもじっくり長文を読まなくても設問処理をしていける、特色検査に応じた長文問題の読み方、解き方を身に付けたい。

なお、各設問の難易度は決して高くはないが、時間プレッシャーと5科ではなかなか出会わない題材の登場によって、本来以上に難易度を高く感じてしまったと考えられる。
しかしながら、ベースになっているのは中学校指導範囲の9教科の知識、考え方である。常日頃の学習を怠らないことが、特色検査攻略の第一歩であり王道である。

取り組むにあたって意識すること

時間を意識した「特色検査」という問題の解き方

科目としての「英語」や「国語」の力はもちろんだが、特色検査で求められるのは、いかに効率よく かつ正しく情報を得て、編集し、解答を作るかという点にある。
60分で4題を解くためには、単純計算をしても1つの大問に割り当てられる時間は15分程度である。後半のより難度の高い問題や最後の見直しの時間を考慮するならば、理想としては12~13分で解ききりたい。
そのためにも、じっくり長文を読まなくても設問処理をしていける、特色検査に応じた長文問題の読み方、解き方を身に付けたい。

なお、各設問の難易度は決して高くはないが、時間プレッシャーと5教科ではなかなか出会わない題材の登場によって、本来以上に難易度を高く感じさせてしまったと考えられる。
しかしながら、ベースになっているのは中学校指導範囲の9教科の知識、考え方である。常日頃の学習を怠らないことが、特色検査攻略の第一歩であり王道である。

特色検査「共通問題」(問3・問7) 講評

問題の概要

多角的な思考を要するバラエティーのある出題

昨年同様に選択大問は5題で、この中から各校が2題を選択する形となった。

問3は、2人の生徒の「花火」を中心とした会話文の中から、国語・社会・数学の要素を用いた思考力を問う問題と、浮世絵の構図と位置関係を問う出題がなされた。
問4は、「論理と読解」というテーマを数式や回路図、方程式、規則性、場合の数という理系の題材を通して問う出題がなされた。
問5は、「論理」、「空間把握」、「反射」といったテーマを元にした、論理的思考力、数理処理を問う出題がなされた。
問6は、「ストロボ効果」、「パラボラアンテナ」、「身近にある食品としての物質」、「キッチンスケール」と多岐にわたる題材を用いた数学、理科の実力を問う出題がなされた。
問7は、「サンゴ礁と鉱山資源」を題材に文章、資料からの読み取る出題と、思考力を社会、理科の要素を用いて問う出題がなされた。

<各校の選択問題>
【横浜翠嵐高等学校】   問6・問7(昨年と同じ)
【柏陽高等学校】     問4・問5(昨年は問4・問6)
【湘南高等学校】     問3・問5(昨年と同じ)
【厚木高等学校】     問6・問7(昨年と同じ)
【川和高等学校】     問3・問4(昨年は問3・問5)
【希望ケ丘高等学校】   問3・問6(昨年と同じ)
【光陵高等学校】     問4・問6(昨年は問4・問7)
【横浜緑ケ丘高等学校】  問3・問6(昨年は問4・問6)
【多摩高等学校】     問4・問6(昨年と同じ)
【横須賀高等学校】    問3・問6(昨年は問4・問6)
【横浜国際高等学校(国際科)】問3・問4(昨年と同じ)
【茅ケ崎北陵高等学校】  問3・問5(昨年は問3・問4)
【平塚江南高等学校】   問4・問5(昨年と同じ)
【小田原高等学校】    問4・問6(昨年は問3・問5)
【大和高等学校】     問3・問4(昨年と同じ)
【横浜平沼高等学校】   問3・問5(昨年と同じ)
【相模原高等学校】    問3・問4(昨年と同じ)
【鎌倉高等学校】     問5・問7(昨年は問4・問7)

設問の特徴

選択式マーク解答が中心であるが、思考・計算を必要とする出題

問3は、(ア)~(キ)の中で計7問の出題。ページ数は4ページであった。多面的な出題であるが故に柔軟な対応力が求められ、1つひとつ冷静に解いていくことができたかどうかで得点に差が出る。
問4は、(ア)~(エ)の中で計8問の出題。ページ数は4ページであったが、出題数が多い上に、素早い思考や多くの作業を要する問題もあったので、思っていた以上に多くの時間がかかった印象を持ったのではないだろうか。
問5は、(ア)~(ウ)の中で計6問の出題。ページ数は4ページであったが、問4同様小問数が多く、時間がかかる。論理・図形と理系要素を中心に作りこまれ、思考力と高い計算力を問う出題となっていた。
問6は、(ア)~(エ)の中で計5問の出題。ページ数は4ページであった。設問数・ページ数ともに多くないが、1つひとつ問題が情報を適切に読み取る力、それをもとに思考する力、計算する力を高度に要求しているため、難易度が高いと感じた受験生が多かったのではないだろうか。
問7は、(ア)~(オ)の中で計7問の出題。ページ数は4ページであった。問6同様に、設問数・ページ数ともに多くないが、1つひとつの問題が資料文を正確に読み取る力、それをもとに思考する力を高度に要求しているため、正解を絞るのに苦労した受験生が多かったと予想される。また、指定語句を含む15字以上20字以内の条件付き記述の出題も含まれていた。

課題と対策

身の回りの様々な事象に興味関心を持ち、調べたり考えたりすることを習慣にする

大問ごとで必要とされる力は多岐に渡るが、以下の2点が重要。

1点目は、与えられた文章や資料といった情報から正しく読み取ること。多くの問題では、「読み取れることは何か」を聞いており、「何が言えるのか」ということを聞いているのではない。ここを取り違えないよう、「読み取れること」=「そこに書かれていること」を基本として読み取りの練習をしていくことが必要である。

2点目は、気付いた時にそれを疑問に感じること、そしてそれを究明しようとする姿勢である。中学校で学ぶ9科目は学問の基礎であり、ここをおざなりにして発展、応用が積み上がることは決してない。しかし、受け身だけの学びではこの特色検査で問われるような問題に立ち向かっていくことは難しく、自発的に学ぶ姿勢がまずは求められる。それを出発点とし、自ら情報を仕入れ、思考し、判断し、表現していく力がやはり必要である。

大学入試改革でも増加する、教科横断型の問題

新学習指導要領に基づいて、2021年度より大学入試制度改革で実施されている『大学入学共通テスト』でも、教科横断型で知識の活用力を問う問題が重要視されています。
高校入試で特色検査の問題に取り組むことは、大学入試への基礎学力としても大きく生きてきます。

しかし、各教科の基礎学力・活用力が問われる特色検査の対策は、一筋縄には進まないと感じる方も多いのではないでしょうか。

特色検査ならではの対策方法とは?

特色検査対策の前に、まずは5教科の学習、さらに9教科の学習をしっかりとやっていくことが大切です。2022年度入試の問題では、栄養素の問題や技術系の問題もありました。

特色検査の対策は、しっかりと基礎を築いた上で、特色検査ならではの問題を解くための糸口を見つける方法を身につけていくことが求められます。

湘南ゼミナールの特色検査対策では、研究された対策問題と少し難易度の高い問題を活用し、問題の読み解き方、思考法など繰り返し学習を重ねていくことで、問題への適応力・応用力を高めていきます。

また、神奈川県の特色検査に特化した模試と解説を実施し、より合格に近づけるよう対策を進めていきます。

今年の入試はどうなる?倍率の捉え方と模試

これから入試本番に向けては、

進路希望調査発表

志望校決定

志願倍率発表

志願変更の検討 )

入試

・・・と、緊張と選択の日々が訪れます。

例年11月下旬に発表される、神奈川県の「進路希望調査」では、どの高校の志望者が多いかが一目で分かります。
高倍率や人気の傾向などは掴めるものの、同年の10月時点での調査のため、実際の出願までに志願者数が増減することも珍しくありません。

近年、高倍率が続く上記の5校でも、進路希望調査と実際の倍率とでは差が見られます。
進路希望調査はあくまでも、志望校決定のための参考情報として捉えるようにしましょう。

さらに、入試直前までの期間には、模試を積極的に受験する時期となりますが、多くのお子様が模試の得点では浮き沈みが出るものです。

特に「難関校へ行きたい」と考えているお子様や保護者様は、常にその合格ラインに乗らなければいけないと考えがちですが、一定ラインを超え続けるケースは希です。
湘南ゼミナールでも多くの生徒さんが、入試直前まで学力を伸ばします。

倍率など数字だけに一喜一憂せず、ご自身がどういう状態の場合に志望校・受検校をどうするのか、具体的に受検校を決めるための条件を考えておくことが大切です。

これらをしっかりと想定しておくことで、入試直前の時期に志願変更で焦ることなく、学習だけに集中して入試に臨むことが可能となります。

湘南ゼミナール 総合進学コースでは、中学1年生から入試を見据えた「特色検査対策講座」を実施しております。
神奈川県内でも多くの特色検査実施校(難関・上位高校)合格者を輩出する特色検査の対策授業をぜひご体験ください。

無料体験授業に関するお問い合わせは、
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