湘ゼミコラム

高校受験・入試

【高校受験の仕組みガイド】中学生が気になる15の疑問に全回答!

「推薦とか内申とか、高校受験の仕組みがいまいちよくわからない」

「本格的な受験勉強に取り掛かる前に、高校受験の仕組みを押さえておきたい」

中学2年生の場合、学校で進路指導が始まったことで、高校受験の話がよく出てくるようになると思います。

初めての高校受験で耳慣れない用語も多く、受験勉強を始めようにも、何から手をつければいいかわからない…とお悩みではないでしょうか。

そこで、この記事では、高校受験の仕組みについて、あなたの疑問にすべて答えます!

Q1|高校受験全体の流れはどうなっているの?
Q2|高校入試はいつあるの?
Q3|合格はどうやって決まるの?
Q4|公立高校と私立高校はどうちがうの?
Q5|内申点って何ですか?
Q6|何校まで受験できるの?
Q7|単願、専願、併願の違いは?滑り止めって何?
Q8|「Ⅰ類・Ⅱ類」ってどういう意味?その他の気になる疑問Q&A

高校受験は、都道府県ごとに試験の内容や時期が異なるため、学校の先生に確認したり、自分の住んでいる地域の自治体に確認したりする必要があります。

まずは、全国共通の高校受験の基本的な仕組みについて、しっかりと理解しておきましょう。

本記事のポイント
・高校受験の仕組み/流れがわかる
・高校受験に関する素朴な疑問の答えがわかる

この記事を読むことで、高校受験の全体像がわかり、受験勉強のスタートラインに立つことができるようになります!

1. 高校受験の仕組みQ1|高校受験全体の流れはどうなっているの?

受験する高校が複数ある場合、受験校ごとに「出願→試験→合格発表→入学手続き」の一連の流れを繰り返して行います。

実際に受験する高校をどこにするかは、三者面談や年末頃の学力によって決めていきます。

2. 高校受験の仕組みQ2|高校入試はいつあるの?

高校入試は、中3の3学期、1月上旬から3月上旬にかけて行われます。

また、公立高校と私立高校とで、上記のように入試の時期が異なります。

ただし、平均より入試日程が早い地域もあります。
例えば、東京の場合、第1回の推薦入試は1月下旬に行われます。

さらに、公立高校の入試は、1回だけの地域と、2回行う地域があります。

受験する高校の入試がいつ・何回あるかについては、各都道府県の入試概要を確認しましょう。

2-1. 推薦入試の内容

面接や小論文、内申点による総合評価

推薦入試は、基本的に学力試験はありません。
内申点・面接・作文または小論文などの総合評価で判定されます。

在籍している中学校の校長からの推薦を得て、各高校が定める推薦基準を満たしていれば、出願をして推薦入試を受ける資格を得ることができます。

推薦基準は高校によって異なるため、確認しておきましょう。

2-2. 一般入試の内容

公立:学力試験と内申点私立:学力試験のみ

一般入試は、基本的には学力検査で合否を判定するものです。

ただし、公立高校の場合は内申点も重要です。生徒会や部活動、各種検定などは、加算対象になります。

​​内申点の1点は、入試当日の学力検査の点数の5~8点に相当するとしている学校もあります。

内申点の加算方法について、具体的な指針を公表している学校もあるので、事前に調べておきましょう。

私立高校の一般入試は、入試当日の学力検査の結果で合否を判定します。

3. 高校受験の仕組みQ3|合格はどうやって決まるの?

公立高校の受験では、一般入試でも推薦入試でも、当日の試験結果と内申点を合わせた総合判定がされます。

私立の高校の受験では、一般入試の場合は当日の試験結果のみです。
推薦入試の場合は、試験結果と内申点の総合で判定されます。

私立高校の受験では、専願(単願)か併願かで、合否判定の基準が変わります。

4. 高校受験の仕組みQ4|公立高校と私立高校はどうちがうの?

公立高校は、原則的にその地域に住む人が通う高校です。

一般的には、学校独自の特色というものはあまりありませんが、校風はそれぞれ異なります。
公立高校の入試制度は、都道府県によって異なります。

私立高校は、校風や教育方針に特色のある学校が多いです。

自分の長所を伸ばすことができるか、どのような高校生活を送りたいかといった基準で選ぶことができます。
私立高校の入試制度は、高校によって異なります。

公立高校にも私立高校にも、それぞれ一般入試と推薦入試があり、推薦入試の中にもいくつかの形態があります。
都道府県の高校入試概要や各高校の募集要項で、確認しましょう。

5. 高校受験の仕組みQ5|内申点って何ですか?

内申点とは、内申書に記載される「評定」を使って計算される数字のことです。

中学校で学習する9教科について、それぞれ5段階(1~5)で記載される場合には、合計45点が満点となります。

国語数学英語理科社会美術技術家庭保健体育音楽

この数値は、以下の3つの観点から総合的に評価されて決まります。

知能・技能定期テストや単元テストなどのペーパーテストの成績を中心に評価
思考・判断・表現レポートや発表、制作物などの問題解決能力を評価
主体的に学習に取り組む姿勢課題の提出状況や授業態度などの取り組む姿勢を評価

ただし、都道府県によって、記載される内申点の内容はそれぞれ異なります。

・どの時期の成績が内申点に記載されるのか・内申点の算出方法・特定科目の加算の有無

中学1年生から3年生までの内申点すべてが評価対象となる地域もあれば、中学3年生の成績だけが内申点として評価される地域もあります。

また、特定の科目の成績を2倍にして評価する地域もあるため、自分の地域で内申点がどう算出されるかについて、しっかり理解しておくことが大切です。

6. 高校受験の仕組みQ6|何校まで受験できるの?

私立の推薦入試から始まって、試験日程が重ならなければ、何校でも受験することはできます。

ただし、公立高校については、多くの都道府県で受験できる高校を1校のみとしています。

第1志望校1校だけでなく、以下のように自分の偏差値と照らし合わせて、3つのレベルの高校を受験するのが一般的です。

ただし、私立高校の入試日程は、同じ都道府県内にある私立高校同士の取り決めにより、限られた数日間にすべての私立高校が入試を行うため、重なることが多いです。

専願(単願)か併願か、推薦か一般かなど、戦略的に複数校を受験することが重要になってきます。

7. 高校受験の仕組みQ7|専願、単願、併願の違いは?滑り止めって何?

左部(専願)の欄の中段にある「ほか」を「他」にカエル。

専願(単願)は、以下の種類の入試において採用されます。

・公立高校の自己推薦型入試
・私立高校の専願入試
・私立高校の推薦入試

専願(単願)は、合格したら必ず入学することが出願の条件になっており、その分、合格基準の判定が相対的に低く設定されています。

なぜなら、私立高校としては学校経営を考えた際に、必ず入学してくれる生徒さんを確保しておきたいからです。

一方で、併願は、合格してもその高校の入学資格を持ったまま、他の高校を受験することができます。

私立学校としては、来てくれるかわからない生徒さんであれば、より優秀な生徒さんを待ちたいと考えます。

そのため、合格判定基準は相対的に高く設定されます。

 専願(単願)併願
他日程の受験併願日程の受験はできるすべての日程の受験ができる
試験日程もっとも早い単願の後に実施
合格判定基準相対的に低い相対的に高い
合格の場合入学することが大前提辞退することもできる

滑り止めは、ひと昔前の言い方で、いまの「併願校」のことを指します。

8. 高校受験の仕組みQ8|「Ⅰ類・Ⅱ類」ってどういう意味?

「Ⅰ類・Ⅱ類」は、一部の私立高校が掲げている、難関国公立大学や私立大学への進学を目的とした選抜クラスを指します。

東大・京大・東工大・一橋大・国公立医などの最難関国公立大学の合格を目指すものと、旧帝大や早大・慶大などの難関国公立私立大学への合格を目指すものとがあります。

どちらをⅠ類・Ⅱ類と定めるかは高校によっても異なりますが、どちらも高校3年間をかけて、大学受験のための勉強を中心に行うことを目的としています。

9. 高校受験の仕組み|その他の気になる疑問Q&A

高校受験に関する素朴な疑問や、人には聞きにくいことなど、中学生のあなたの頭に浮かぶ疑問にお答えします。

Q:全部落ちたらどうなるの?
Q:推薦はスポーツをしていないと受けられないの?
Q:内申ってどれくらい重要なの?
Q:遅刻や欠席をしたら高校には行けないの?
Q:高校に行かない人ってどれくらいいるの?
Q:塾に行かなくても合格できる?
Q:苦手教科があってもほかの教科で点数が取れればいいって本当?

9-1. Q:全部落ちたらどうなるの?

A. 二次募集をしている高校を受験して進学するのが一般的です。

公立高校や一部の私立高校の二次募集は、すべての高校に不合格になってしまった生徒さんを対象に行われます。

二次募集を行う高校は、一次募集で合格した生徒さんが実際には入学手続きをしなかったなどで、入学者数が定員に満たなかった高校です。

一次募集の入学手続きのあと、定員割れで二次募集をする高校が発表されて、出願が開始されます。

二次募集は募集に対して応募が少ないため、倍率がとても低く、不合格になることはめったにありません。

9-2. Q:推薦はスポーツをしていないと受けられないの?

A. 「スポーツ推薦」は、推薦入試の枠のひとつです。

「スポーツ推薦」の枠を希望しない限り、スポーツをしていなくても推薦は受けられます。

推薦入試では、部活動の実績や生徒会・委員会活動といった特別活動、英検や漢検などの資格検定なども加点対象になります。

この場合、部活動は特に運動系でなくても問題はありません。

9-3. Q:内申ってどれくらい重要なの?

A. 内申書は、合否を左右する重要な資料です。 

入試での学力試験の得点が同じなら、内申書の評価が高い方の受験生が合格します。

推薦入試の場合、特に内申書が重視されることが多いため、たとえ学力試験の得点が多少高かったとしても、内申書での評価が低ければ不合格となる場合もあります。

9-4. Q:遅刻や欠席をしたら高校には行けないの?

A. 遅刻や欠席は内申点に影響しますが、遅刻や欠席をしたからといって高校に行けないわけではありません。

5. 高校受験の仕組みQ5|内申点って何ですか?の章でお伝えしましたが、内申点には「授業態度」も総合的に加味されます。

遅刻や欠席は「主体的に学習に取り組む姿勢」で低い評価となるため、数回程度であれば問題はありませんが、著しく多い場合は内申点に影響すると思っていた方が良いでしょう。

なお、推薦の条件として遅刻や欠席の回数を設定している高校もあるため、気になる場合は確認してみると安心です。

9-5. Q:高校に行かない人ってどれくらいいるの?

A. 文部科学省の調査によると、令和2年度の高校等への進学率は98.8%でした。

残りの1.2%が、高校に進学しない人たちの割合です。

出典:文部科学省『高等学校教育の現状について』(令和3年)

1.2%のうち、ほとんどが家庭や個人の事情で進学しなかったり、就職を希望したりするものと考えられています。

9-6. Q:塾に行かなくても合格できる?

A. 塾に行かなくても、合格できる人はいます。

しかし、塾に行かなくても志望校に合格できる中学生には、かなり強靭な精神力と自立心があるでしょう。

文部科学省「​​令和3年度子供の学習費調査」によると、塾に通わない生徒さんは公立中学校で29.6%、私立中学校で46.1%となっています。

身の回りの7割以上の生徒さんが学習塾に通う中、自分一人だけが周囲と異なる決断をし、孤独に勉強を積み重ねていくのには、よほどの覚悟が必要になるでしょう。

また、塾に通うと志望校への個別対策などもあるため、受験直前に急激に成績を上げてくる生徒さんが増えてきます。

それにより、勉強のペースや時間など、本人は何も変わっていなくても、周囲の成績が上がることで相対的な評価が下がってしまうのです。

塾に通わなくても合格はできますが、行きたい学校がある場合には、塾に通って情報と仲間を得た方が、効率的に受験勉強をすることができます。

9-7. Q:苦手教科があっても他の教科で点数が取れればいいって本当?

A. 総合点が高ければ基本的に合格できますが、学校によっては、不合格の基準を定めている場合があります。

全教科の合計点が合格点に達している場合でも、教科ごとに見た場合に、以下のような場合には、審議にかけられて不合格になる可能性はあります。

・30点未満の教科がある
・受験者平均の半分以下の点数の教科がある
・0点の教科がある

これらは、入学したとしてもその高校の授業に著しくついていけない教科があると判断されるケースです。

高校受験の勉強では、「苦手を埋める」対策から手をつけた方が良いでしょう。

10. 高校受験は「1点」の差が合格を左右する!早いうちから実力を身に付けよう

私立高校の一般入試では、当日の学力試験の得点だけで合否が決まります。

一方、公立高校の一般では、内申点と学力試験の合計点数の高い人から順に、合格していきます。

どちらの入試においても、当日1点でも多く得点できた者が、志望校への入学を確実にするのです。

また、もしも志望校に「補欠合格」する可能性がある場合、繰上げ合格となるかどうかも、当日の「1点」で左右されます。

この「1点」に泣くも笑うも、試験当日に向けてどれだけ準備をしてきたかによるのです。

あなたがまだ中学1年生か2年生であれば、定期テストの成績を上げて内申点を高めるのも良いでしょう。内申点の「1点」は、学力試験の「5〜8点」ほどの価値があるからです。

あなたが既に中学3年生であれば、内申点もさることながら、学力試験当日の得点アップに集中することもできます。

いずれにせよ、早いうちから準備を始めて実力を身に付けていくことで、憧れの志望校での高校生活を手に入れることができるのです。

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11. まとめ

今回は、高校受験の仕組みについてお伝えしました。

高校受験は、都道府県ごとに試験の内容や時期が異なるものです。

学校の先生や自分の住んでいる地域の自治体に確認して、勉強と合わせてしっかり準備していきましょう。

この記事が、高校受験を控えるあなたの指針となり、悔いのない高校受験に臨む力となることを祈ります。