湘ゼミコラム

高校受験・入試

【中3】公立高校入試 志願変更制度を上手に使う

入試まで残り時間が少なくなってきたこの時期、公立高校入試「志願変更制度」の上手な使い方についてお送りします。

安心して勉強に専念するための情報です。

どうぞご一読ください。

お得な志願変更とは?

倍率の高い高校から、倍率の低い高校に志願変更した」

これが「お得」だと感じるかどうかは、あくまでも個人の感覚になってしまいます。

そもそも、最初から「倍率」を元に志望校選びをしている方が少ないのではないでしょうか。

ほとんどの方が「校風」「教育方針」「通学時間」「行事」「部活動」「生徒指導」「進路指導」「進学実績」「偏差値」などなど、さまざまな要素を元に志望校選びをしていることでしょう。

受験直前期の不安の中、「倍率」の低さに目がいく気持ちは理解できます。

「なんとか合格の可能性を高めたい!」というのは自然な気持ちです。

しかし、不安によって衝動的に行動を取る状態では冷静な判断が難しくなりますので、勢いに任せての志願変更は避けるのが得策でしょう。

では、「本気で選んだ2校のうち、1校の倍率が低そうだから志願変更をする」というのはどうでしょう?

これも、「最初に出願した1校」に決めた理由が少なからずあるはずです。「志願変更前に倍率が低い」ことを「出願した高校に決めた理由」と比較し、その軽重が判断のしどころになるでしょう。

倍率の低さを「重い」と判断した場合は、志願変更することになるでしょう。

募集定員に約50名足りない状態の「倍率の低い高校」に、志願変更で受験生が殺到したことがあります。結果としてその高校に新たに約100名出願し、約50名が不合格になる入試となりました。

反対に、「定員割れ」の状態の高校が、志願変更後も「定員割れ」のまま入試を迎えることもあります。

また、募集定員の少ない学校の場合、少しの人数移動で倍率が大きく変動することも知っておいたほうがよいでしょう。

志願変更は受験生全員に認められた制度です。

変更前の応募状況も公式に発表されます。

「変更先候補の高校」の倍率が低いことは、皆が知っていることになります。

例年、倍率の高い高校、低い高校がありますが、必ずしも想定どおりに数字が推移するわけでもないということも忘れてはいけないのです。

志願変更後悔しない「制度の上手な使い方」

どんなときに志願変更をするのか」をあらかじめ決めておきましょう。

最初の出願をするときに決めておくのが理想的です。

冷静な判断ができるときに決めておくことで、仮に志願者数が思い通りに動かなかったとしても、「しかたがない」と割り切って、入試で合格点を取るための行動に集中する度合いは大きく変わるでしょう。

曖昧な判断で衝動的に決めて、倍率が思い通りにならなかったとき、入試までの間、勉強に集中できるかははなはだ疑問です。

「どんなときに志願変更をするのか」を決められないときは通っている塾の先生と相談するのもよい方法です。対話を重ねることでものごとが明確になることもよくあることです。ここで、志願変更をする基準が決まることもあれば、志願変更をしないことが決まることもあります。どちらになっても、勉強に集中できる環境を整えることになり、受験に向けてさらに一歩前進といってよいでしょう。

そして、最も大切なこと!

志願変更をした際は、「変更先の高校が第1志望」なのです。

変更したことを後悔しないためにも、この切り替えはとても重要です。

【神奈川】【千葉】【埼玉】【東京】志願変更のスケジュール

4都県の全日制公立高校入試における志願変更のスケジュールは次のとおりです。

【神奈川】
募集期間:1月24日(水)~1月31日(水)
志願変更期間:2月5日(月)~2月7日(水)

【千葉】
募集期間:2月6日(火)~2月8日(木)
志願変更期間:2月14日(水)・2月15日(木)

【埼玉】
募集期間:2月7日(水)~9日(金)
志願変更期間:2月14日(水)・15日(木)

【東京】
入学願書受付:1月31日(水)~2月6日(火)
志願変更期間:
取り下げ:2月13日(火) 再提出:2月14日(水)

志願変更手続きの方法

【神奈川】

(1) 在籍中学校に志願変更を申し出て、出願サイト上で「志願変更許可」を得ます。
(2) 出願サイトから志願変更情報を申請し、中学校の確認および承認を受けると、志願変更情報が志願変更先に提出されます。

※詳細につきましては「令和6年度 神奈川県公立高等学校入学者選抜 志願の手引き)をご確認ください。


千葉】

(1)志願変更者は、志願変更願および所定の受検票を、在籍中学校の校長の確認を経て、先に志願した高等学校の校長に提出します。

(2)志願変更願を受理した高等学校の校長は、志願変更者に志願取消証明書を交付します。この場合、次の(ア)のほか、(イ)、(ウ)、(エ)の書類を提出してあった志願変更者には、これを返却するものとします。
 (ア) 選抜結果通知用封筒
 (イ) 千葉県県立高等学校入学志願証明書
 (ウ) 誓約書
 (エ) 必要に応じて提出する書類

(3)上記の志願取消しが認められた者は、「Ⅰ 一般入学者選抜」の「第2 出願」の2によって、新たに入学願書を作成し、これに上記(2)の志願取消証明書およびその他出願に必要な書類を添え、在籍中学校の校長の確認を経て、新たに志願する高等学校の校長に提出します。尚、高等学校の校長は、出願書類等の受理が完了した後、所定の受検票および入学願書等受理証を交付し、その他の書類についても、受理証を交付します。

※詳細につきましては(令和6年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項)をご確認ください。

埼玉】

志願先変更を希望する者は、出身中学校長を経て、「志願先変更願」および受検票を、先に出願した高等学校長に提出し、「志願先変更証明書」の交付を受けた後、新たに持参により出願手続をとります。

※詳細については次のリンク先よりご確認ください。(令和6年度入学者選抜実施要項・入学者選抜要領

東京】

(1) 志願変更願を、在学している中学校長の確認を経て、出願した都立高校長に提出し、出願に要した書類及び調査書等の返却を受けます。


(2) 面接実施校を志願変更先とする場合は、志願変更先の都立高校が示した「本校の期待する生徒の姿」を参考にして、新たに自己PRカードを作成します。


(3) 指定された期間内に出願サイト上で必要事項を入力し、返却された出願に要する書類に志願変更先の高等学校名等の必要な事項を記入し、厳封した調査書(志願変更願を受理した都立高校長から返却を受けたもの)および新たに作成した自己PRカード(面接実施校の志願者のみ)等を指定された日時に志願変更先の都立高校長に提出し、出願サイト上で受検票の交付を受けます。

※詳細については次のリンク先よりご確認ください。(令和6年度東京都立高等学校募集案内(都立高等学校の入試の概要)

志願変更は上手に使ってほしい制度です。

「志願変更をするかしないか」を含めて準備をしっかりと整えて、入試本番に臨みましょう。