湘ゼミコラム

高校受験・入試

どっちを選ぶ? 中学受験と高校受験

2018.09.13

我が子に合った受験」とは?

9月も中旬ですね。

中学受験を検討される小学3年生や小学4年生では、塾探しをされる方が増える時期です。

また、小学5年生・小学6年生ではこの時期、「私(僕)も受験したい」という言葉であわてて塾を探す方もいらっしゃいます。

「絶対に中学受験をするぞ!」と確固たるお考えで塾探しをされる方は意外と少なく、「なんとなく」「周りも受験するみたいだから」「お友達と一緒に」という感じで、ふわっと受験を検討される方も多いのが実状です。

そんな中、今週と来週は様々な側面から「中学受験」と「高校受験」を比較してみます。

この機会に「我が子に合った受験」について考えてみませんか?

「お受験」だけではない中学受験

中学受験をイメージしたときに、「大変そう」「勉強が難しい」という言葉がよく出てきませんか?

これは中学受験の中でも「国私立中学受験」についてのイメージです。

国私立中学受験が「大変そう」なのは、学習範囲の広さが影響しています。

小学校の教科書範囲を飛び越えて入試で出題されるため、対策用の教材も広い学習範囲になっています。

たとえば、社会科では、中3の学習内容までほぼ網羅してあります。そして、中2までの「地理」「歴史」小学5年の1年間で学習するカリキュラムを組んでいる塾がほとんどです。広い学習範囲を、速いスピードで進みます。

しかし、近年になると出題範囲が「小学校の教科書範囲」に収まった入試を行う中学校が出てきました。

公立中高一貫校です。

神奈川県では、「市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学」、「市立南高等学校附属中学」や「県立相模原中等教育学校」などがあります。

東京都では「都立小石川中等教育学校」「都立白鴎高等学校附属中学校」など、埼玉県では「市立浦和中学」など、千葉県では「県立千葉中学」などが有名です。

「公立中高一貫校受験」には「大変でない」という印象が先立ちますが、「教科書範囲内」でありながら「適性検査」の対策が必要になります。近年は「適性検査型入試」を行う私立中学も増えてきたので、門戸は広がっていると見ることもできますが、「公立中高一貫校」は「国私立中学」に比べると学校数が非常に少なく「狭き門」にも見えます。実際、公立中高一貫校では入試の倍率も高く、過酷な入試でもあるのです。

反面、学習範囲は狭いので、「5年生・6年生になってからでも対策が可能」ではありますので、しっかりと対策をして挑戦する意義は十分あるといってよいでしょう。

高校受験の種類分け

中学受験に対して、高校受験にはどのような種類があるのでしょう。

鍵になるのは「当日の入試得点だけ」なのか「入試得点以外の数値」が関わるのか、になります。

高校入試に関わる「入試得点以外の数値」には、「学校の成績内申)」「(英検・数検・漢検など)各種資格」などがあります。地域によって採用する数値の差はありますが、実はほとんどの高校受験でこれら「入試得点以外の数値」が関わっています。

神奈川県東京都千葉県・埼玉県では「学校の成績内申)」が公立高校やほとんどの私立高校の受験に大きな影響力をもちます。

高校入試において「当日の入試得点だけ」で合否を決める入試は一部で行われているのだけで、そのほとんどは、「学校での普段の取り組み」「毎日の学習の積み重ね」が活きる入試なのです。

どっちを選ぶ? 中学受験高校受験

ここで考えたいのは、受験をどのように「お子さまの成長」につなげるのか、ということです。

「小学生の間は『習い事』や『友達との遊び』など勉強以外の取り組みもしてほしい」

「たとえ少し大変であっても、ふらふらするのではなく、受験勉強を通じて、何かを『勝ち取る』経験をしてほしい」

「普段の取り組みを着実に重ねて成長してほしい」

なんとなく始めるのではなく、小学4年生から6年生までの3年間(3年生から始めるならば4年間)という長い期間をどのように過ごしてほしいのか、という視点で考えられたとき、ご家庭で選ばれた「中学受験」「高校受験」が「よい受験」になってきます。

どちらかの受験が「よい受験」なのではなく、選び方・決め方が「よい受験」になるかどうかの分かれ目になることが多いのです。

今週は「それぞれの受験の種類」から「中学受験」「高校受験」を比較してみました。

次週は「高校受験をしない一貫校の中学生の学校生活」「高校受験をする中学生の学校生活」という視点で比較してみます。

現在、高校受験に向けて勉強している中学生にとっても、中高一貫校に通っている中学生は、将来の大学受験において同じ土俵で競い合う相手になります。保護者の皆さまにも、ぜひお読みいただきたい内容です!