湘ゼミコラム

高校受験・入試

【神奈川 公立高校入試】今からでも遅くない!中学生のための「面接」の極意

神奈川県の公立高校入試の制度や配点などの仕組みをはじめ、試験のなかでも気になる「面接」について、詳しい解説をお届けします!長年、面接指導にあたる講師の神保よりポイント解説もご紹介!ぜひご覧ください。

<神奈川>公立高校入試制度とは??

神奈川県の公立高校入試は、一般募集として例年2月中旬に実施される「共通選抜」を経て選考されます。
「共通選抜」は県内全公立高校の全学科・全コースで1回のみ実施され、学力検査と面接の検査が課されます。また、一部の学校では特色検査も実施されます。
この「共通選抜」の1回の結果をもとに、1次・2次と2回の選考が行われるという流れです。

選考の流れ

1次選考では、募集定員の90%の合格者を決定

[ 選考方法 ]
調査書の評定(中2~の内申点)」、「学力検査(5科目)」、「特色検査(実技検査及び自己表現検査のいずれか)」、「面接」の4つの得点のうち、合計点が高い順で合格者が決定する。

2次選考では、募集定員の10%の合格者を決定

[ 選考方法 ]
学力検査(5科目)」、「特色検査(実技検査及び自己表現検査のいずれか)」、「面接」の3つの得点のうち、合計点が高い順で合格者が決定する。

1回の受験結果をもとに、二次選考では学校成績(調査書の評定)を除いた点数の上位10%(定員に対し)の合格が決定されます。

神保講師

湘南ゼミナールのポイント解説!

例えば、受験者平均のA値(中2~の学校成績=内申点/135点満点)が比較的高いとされる川和高校では、A値の平均が127点。・・・ということは、中2成績からほぼオール5(42~45点)を取っている数値となります。中2で成績がオール3だった場合、川和高校の平均値には届かず、2年生を終えた時点でお手上げ状態となってしまいます。

つまり、中学2年生からの成績が芳しくないが、試験までに学力を上げていったお子様たちが、二次選考で合格できる可能性を残した制度となっています。
入試制度としては、長期的にコツコツ頑張るお子さまが比較的評価される一方で、面接や成績よりも学力検査を重視している学校もあります。

配点の例 ※第一次選考

川和高校の場合/評定(学校成績):学力検査:面接:特色検査=4:4:2:1

翠嵐高校の場合/評定(学校成績):学力検査:面接:特色検査=2:6:2:2

このように制度は同じでも、配点を見ていくと「どんなお子さまに来てほしい」という高校ごとのメッセージが読み取れるとも言えます。

※参照:神奈川県 公立高校入学者選抜/2021年度選考基準より

<神奈川>公立高校受験の「面接」ってどんなもの?

神奈川県の公立高校入試では「思考力」・「表現力」・「判断力」といった方向性で5科目に捉われず、受験者を総合的に見ることを目的として「特色検査」や「面接」が設けられています。

面接の内容は??

面接は、受験生1人につき10分程度の個人面接試験が行われます。
面接官となる高校の教員は2名以上です。出願時に志望理由や自己PRを記入した面接シートを提出し、その面接シートと調査書の内容を参考に面接が進められます。
※面接シートは得点には影響しません。

❝面接の観点は??

共通の観点

・入学希望の理由
・中学校での教科等に対する学習意欲
・中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲

学校毎の観点

・高校での教科・科目等に対する学習意欲
・高校での教科・科目等以外の活動に対する意欲
・学校・学科等の特色理解
・将来の展望
・面接の態度

その他の観点

面接を重視する学校の場合、その他の観点として
・学校生活におけるルールとマナーを守ろうとする姿勢
・自己の理解(長所・自己アピール)
などを公表している学校もあります。

神保講師

湘南ゼミナールのポイント解説!

各学校の色が出るのは、”質問の内容”というよりは”評価”で出ると考えた方が良いでしょう。面接の観点で見ても、自分が志望する高校が、どのような観点を重視しているのかをきちんと把握することが第一歩です。また、「面接」は学校ごとに重視している高校もあれば、そうでない学校もあります。
「面接」の配点比率が低いにも関わらず、面接ばかりに気を取られて、学力検査の結果が伴わない・・・という結果にも繋がり兼ねません。まずは志望校の状況をきちんと把握することが大切です。

以下より、2021年度公立高校入試の面接における学校ごとの観点を確認できます。

具体的に「面接」では、どんなことを聞かれる?

“その日初めて会う大人に想いを伝える”という、ほとんどの中学生にとっては初めての経験が「面接」です。

また、高校入試で行われる「面接」は一般的な面接とも少し違い、学力検査や内申点(学校成績)の評価にプラスして行われる第3の評価軸です。面接の内容は各学校の先生に委ねられている為、受験する学校によっては、”面接官が自分のことを積極的に聞いてくれるとも限らない”ケースがあります。

面接の基本的な質問

前項にてご紹介した面接の観点に沿って、具体的に見ていきます。

共通の観点

入学希望の理由
学校について(文化祭や力を入れている科目)の魅力は他の生徒さんも同じ回答をしていると考え、それらにプラスして自分ならではの具体性を高校の理念や校風に沿って付けられると良いでしょう。

中学校での教科等に対する学習意欲
「数学を頑張った」という事実だけでなく、その具体例を出して自分らしさを伝える意識をしてみてください。例えば、苦手科目のどのような点が自分にとって課題だった⇒そのためにどのような対策をとった⇒その結果どのような効果を得た。など、自分がどのように努力したのかを具体的に伝えていきましょう。

中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲
部活動や学校行事、総合的な学習の時間で取り組んだことやクラスの係で担当したものなど、自分が主体的に行った活動を取り上げると良いでしょう。例えば、「部活動で仲間の大切さを知りました」という答えの場合、なぜそう思ったのかというところまで掘り下げることです。
例:「自分が部活動最後の試合でPKを外してしまったが、チームの誰一人文句を言わずに励ましてくれた」といったご自身でしか語れないリアルなストーリーを、面接官に聞かれなくても伝えていきましょう。

学校毎の観点

高校での教科・科目等に対する学習意欲
自分がその高校に入って挑戦したい、または克服したい科目について、中学生までの経験をもとに、高校からどのように成長したいかをしっかりイメージして語っていきましょう。

高校での教科・科目等以外の活動に対する意欲
文化祭や体育祭など中学生から見ても魅力的な行事があります。そうした行事を取り上げる場合には、自分の良さを伝えながら、どのような取り組みにしたいかを語っていきましょう。

学校・学科等の特色理解
特色のある学科や、行事を設定している学校で質問されることが多い項目です。特色ある学校を選んだ方は、素直に魅力に感じた点を伝えていきましょう。また、その学校の在校生や卒業生、塾の先生などにも聞いてみると良いでしょう。

将来の展望
中学生の場合、将来の夢が決まっている方はとても少ないので、取り繕うことはありません。また、将来の夢が有るか・無いかで、優劣がつくというものではありません。
高校側が評価の観点として取りあげている場合、将来の夢はまだ決まっていません。という事実だけを伝えるのではなく、志望校に入学して自分の可能性を広げられる部分はどんなところか?を考えて、一緒に伝えると良いでしょう。

面接の態度

【服装】清潔感があり、きちんと制服を着ていれば問題ありません。

【言葉遣い】丁寧且つ、正しい敬語で話しましょう。

【話す速度】落ち着いて、聞き取りやすい速度・発声で話すことを心掛けましょう。

【視線】おどおどせず、面接官に視線を配るようにしましょう。

【口癖や態度】上記の絵のようにきちんと座り、「えーっと」「あの~」といった口癖にも注意しましょう。

神保講師

湘南ゼミナールのポイント解説!

受験の面接は、おしゃべりが上手であることを評価される場ではありません。伝え方が上手でなくとも、伝える内容やそこまでのプロセスがしっかり見えた時こそ、評価へと繋がります。
また、どの質問においても「具体性」と「掘り下げ」をしていき、
・表面的ではなく自分の内側にあるものとちゃんと繋がっているのか、
・自分と繋がっていない場合には、悩みを吐露し、改善策を考えられているか、
といった準備を行いましょう。

最後に、「面接」前の心構え

高校入試の面接官は、何百人という人を見て同じような回答を貰っていることでしょう。
しかし面接官は、「その人が、どういう人なのか」ということを見ています。質問の回答に対し、具体性を書き出して、なぜそうなのかと掘り下げていくことで自分らしさというものが見えてくるのではないでしょうか。

面接が初めてのお子さま達にとっては、不安ばかりになりがちです。
自己PR書の丸暗記をして、緊張して忘れたことで焦ってしまう…となるくらいなら、素直に感じたことを答え、間違いや、上手く言えないことは気にせず、自分らしさを伝えられるよう落ち着いて臨んでいただけたらと思います。

湘南ゼミナールは、各学校が毎年発表する面接の観点や配点比率などを分析し、志望校に合わせた対策を実施!

神奈川県の公立高校入試に関するご相談は、
湘南ゼミナール総合進学コース 神奈川まで、お気軽にお問合せください。